2017年6月7日の1回目から試作を重ねてきた結果、知覧茶ビールが完成しました。しかし、私一押しのレシピは採用されなかったw
今回は、前回の記事の時にどんなビールができたのかのお話。前回の記事はこちら。
知覧茶ビールでは、株式会社下堂園の看板商品である「千両」を緑茶の原料として使用することにした。「千両」とは、「ゆたかみどり」という品種を100%使用した自社のオリジナルブランドで、この「ゆたかみどり」を強く焙煎することで、独自の甘みと香りを引き出した緑茶である。
ただ、その「千両」の香りや味わいを引き出すのに、どのようなビアスタイルが良いのか?合わせるホップは何が良いのか?そして、どのタイミングで緑茶を投入すれば良いのか?このあたりが、試作で検討する内容だった。
試作1回目は、セッションIPAを意識して(個人的にこのスタイルが好きなのでw)造ることに。麦芽はペールモルトを使用。アルコール度数は5%に。そして、ホップはビタリングでナゲット。アロマリングでエキノックス。今回は、ドライホッピングを採用し、そこでもエキノックスを使用した。
で、このレシピの最大の特徴と言えるのが「ドライチャッピング」(ドルフィンインダストリーさんに命名いただきましたw)。 つまり、ドライホッピングの要領でお茶を漬け込むということ。
でだっ。出来上がった知覧茶エールは、最高だった。私的に。
パッションフルーツや柑橘系の香りが、緑茶とビールの香りと相まって、フルーティーな香り。少し酸味を感じさせるのも、さわやかさを引き立てる。また、千両の甘い香りと強い焙煎香がビールの奥に感じられた。しかも、5%と軽めのアルコールにしていることもあり、とても飲みやすく、なんとも華やかなビールに仕上がったのだ。しかも、温度が上がってくると、桃ジュースを思い出させるような、甘く上品なビールへの変貌していくのだ。
こんなに素晴らしいビールなのに、採用されなかった。残念。
まあ、担当者が頑固だからしょうがないw どうしても、もっと日本茶の香りを出したかったんだって。それなら、しょうがないか。
いつか、限定バージョンで醸造してくれるよう、今から担当者に吹き込んでいる。頼む。